球界全体の課題である「野球離れ」をどのように解決するか、プロアマで組織している日本野球協議会をはじめ、各中央競技団体においてもその施策を検討し、計画、実施していることは皆さんご承知の通りかと思います。
日本高野連においては2018年から「野球離れ」に歯止めをかけるため、「高校野球200年構想」のもと、都道府県単位の協議会設立に着手しました。
さらに2019年には「投手の障害予防に関する有識者会議」を設置し、さまざまな角度から現状を分析すると同時に課題を明らかにしています。その答申の中には、高野連単独ではなく、野球界全体で取り組む課題の一つとして「野球関係団体による地域連絡協議会の結成」を提言されています。
このような野球関係団体間の連携、協議については、各団体の全面的な協力のもと、日本のアマ球界の代表団体である全日本野球協会(BFJ)がまとめ役となって前に進めることとなり、BFJの普及振興委員会の部会として2020年9月に設置されたのが団体間連携推進部会です。
日本高野連、全軟連の委員、および小中学生の野球現場の状況に精通している有識者で構成するこの部会では、47都道府県に支部組織を持つ、高野連、全軟連の都道府県レベルでの連携の実態についてアンケート調査を実施し、現状把握、分析を行いました。また野球界全体の大きなすそ野である学童野球の実態の共有、全軟連(学童)➡中体連➡高野連とキャリアを進める上での課題についても整理し、6回にわたり協議してまいりました。
議論の中で見えたことは、すでに組織として運営している新潟県や北海道のような都道府県単位の協議会を設立するには、数多くの課題があるということでした。一方で、都道府県単位ではなく市区町村レベルの範囲の小さな単位に着目するとうまく連携をはかり、団体の垣根を超えたユニークな取り組みを実践して地域の課題に取り組んでいる例が少なくないということも分かりました。
本取り組みの目指すところは、選手が小学校、中学校、高校と学齢が進む中、野球においてもスムーズにステップアップしていく環境を団体間で協力して整えていくことです。
そのため、次の4つのテーマで連携を取っていく考えです。
① 団体間の情報共有の促進
② 選手とその保護者が不安なく次のステップへと進める環境整備
③ 野球を始めるきっかけづくりを共同で進める
④ 団体間で共有できるガバナンス、指針の構築
4つのうち、①の団体間の情報共有の促進を進めるにあたっては、このBFJ公認メディア『Homebase』も活用してまいります。
具体的には、市区町村レベルの小さな単位で現実に起きている課題を地域に適した方法で解決と取り組んでいる例を取り上げて、レポートしていく予定です。
私どもから事例を紹介することにとどまらず、このサイトをご覧になっている皆さんからの情報も取り上げながら、活気のある情報交換の場にできれば、何よりです。
次回から、順次、事例を紹介してまいりますので、ご期待ください。
【 全日本野球協会(BFJ) 普及振興委員会 団体間連携推進部会 部会長 井上康雄 】
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