【Q&A】牽制の際の軸足の動きをどう捉えるべきか


「Q&A 事例解説」では一般財団法人全日本野球協会に寄せられる多くの規則についてのご質問の中から、特によく頂く質問をピックアップ。ご質問に対する回答内容を皆さんと共有することで皆さんの理解を深めていただくことを目的としています。 ぜひ、ルールの深掘りにご活用ください。




▼質問内容

 先日の試合で、一塁塁審を担当した際のプレイ(右投手・1塁への牽制球)について、質問させてください。お伺いしたいのは、「投手の軸足(右足)の動き」についてです。

 ランナー1塁で、投手はセットポジションから牽制球を投じましたが、その際に、軸足を、明確に投手板の前方向(ホームベース方向)に外す(踏みかえる)動きをしました。

 一般に、マウンドの形状やスパイクの金具の事情などで投手板から足を離さざるを得ない、というケースはあると思いますが、今回はそうではなく(グランド状況等も不都合なし)、明らかに投手板から離れたところへの、意図した踏みかえと認識しました。

 一塁塁審の私としては、球審とも協議のうえボークを宣告しましたが、守備側の監督から、「一連の動きで、左足は1塁方向に踏み出し、かつ偽投はしていないのだから、ボークではない」との抗議を受けることとなりました。

 私が問題視しましたのは、通常に足を投手板の後ろに外すのと同様、意図して前側に外している点です。牽制球には投手板から足を外して行う場合と投手板から足を外さないで行う場合の2種類がありますが、このケースにおけるボーク判定は正しいでしょうか。

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Homebase事務局
Homebase事務局

Homebase事務局でございます。 いただいたご質問に対して、以下の通り回答いたします。 本記事内の質問のケースを直接見ておりませんのでどれくらい離れているかという部分については分かりかねますのでご了承ください。 結論から申し上げると、質問者の下した“ボーク“の宣告は正しい判断と言えます。 規則上の根拠は以下のとおりです。 以下規則(特に“”で囲んでいる部分)に照らし合わせての判断を 当該審判員が試合中にジャッジすることになります。 5.07(a)(2)セットポジション 【注4】投手は走者が塁にいるとき、セットポジションをとってからでも、プレイの目的のためなら、自由に投手板を外すことができる。この場合、“軸足は必ず投手板の後方に外さなければならず、側方または前方に外すことは許されない”。 また、5.07(d)塁に送球 【注】投手が投手板を外さずに一塁へ送球する場合、“投手板上で軸足が踏み変わってもその動作が一挙動であればさしつかえない”。しかし、送球前に軸足を投手板のうえでいったん踏みかえた後に送球すれば軸足の投手板上の移行として “ボーク” となる。 ご質問の事例では、投手が軸足を投手板の前に外してから一塁へのけん制を行ったと質問者は判断しており、上記5.07(a)(2)【注4】の違反にあたるものと考えられます。 また、守備側監督から「一挙動で一塁へのけん制は許されるのでは」との申し出に対しては、上記5.07(2)d)【注】では、一挙動での投手板上での軸足の踏み変わりを容認しているものであり、事例の動作には当てはまらないと説明すれば事足りると思います。

木村賢吾
木村賢吾

追加ですが牽制時に軸足が投球板に完全にかかっていなかったという事でしょうか?軸足は回転するので踵は基本投球板にかかるでしょうが踏んでいた踏んでいないは判断基準に影響しますか?

木村賢吾
木村賢吾

先に投球板から軸足が前に移動してそれから回転して牽制したとの事で軸足を投球板を踏んだ状態では牽制しづらいですよね。始動時の軸足の位置が投球板からどれくらい離れていたのでしょうか?また可か不可の基準はどれくらいなのか?意図的にフェイクしたのか、また意図的の判断基準はどうすれば良いか?教えて頂けたら幸いです。

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