15日、明治神宮野球場で「高円宮賜杯 第44回 全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」の開会式が行われた。
同大会は学童期の大会としては最大規模の大会で、1981年からスタートした。(2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催なし)
参加資格は全日本軟式野球連盟(全軟連)に所属する各地域の予選大会で優勝したチームで、全国約1万のチームから頂点を競う。
全国各地の予選を勝ち抜いたチームが集結した
09年からは学生野球の聖地でもある神宮球場が開催地(21年を除く)となっており、”小学生の甲子園”と呼ばれている。
今回も51チームが東京に集まり、神宮球場含め7会場で17日〜22日の6日間行われる。(16日は台風7号の影響により順延)
この日行われた開会式では、熱中症対策もあり17時から開催。入場行進から各チーム大きな声を揃えて歩を進めた。
昨年の優勝旗を手に行進した新家スターズ(大阪府)
開会式では全軟連の山口宏会長や、大会を特別協賛している日本マクドナルド株式会社のジョナサン・クシュナー執行役員などからお祝いと激励のメッセージが贈られた。
その中でも特に熱い想いを伝えたのが東京都軟式野球連盟の長島昭久会長。8月15日にちなんだ内容も添えてこのように伝えた。
「野球は勝ち負けも大事です。技術の向上も大事です。それに加えて今日私から選手のみなさんに3つの感謝をしていただきたいです。
まずは家族に感謝をしてください。スタンドへ応援に駆けつけてくれている方もいると思います。2番目は監督・審判の方々。野球を伸び伸びプレーできるのは、監督・審判のおかげでもあります。
特に審判は攻守問わずずっとグラウンドに立ち続け、選手の一挙手一投足を見守ってくれています。
そして最後。今日は終戦の日です。戦争が行われていた当時、みなさんのご先祖は野球どころではありませんでした。今こうやってグラウンドでプレーできるのは平和であるからです。
野球ができるこの平和な環境に感謝をしてもらえればと思います」
“3つの感謝”を伝えた長島会長
ここからはユニフォームを着た子どもたちが前に出る。開催地である東京都を代表して歓迎の言葉が寄せられた。
壇上に上がったのは昨年ベスト4に進出したレッドサンズ(東京都文京区)の竹澤律志主将。今年は残念ながら本大会への出場は叶わなかったが、都を代表してこのために駆けつけた。
竹澤主将は全国各地から集まったチーム・関係者に向けて、同じ大会を目指してきた仲間への想いそして出場する選手たちへ健闘を託した。
「1月1日の能登半島地震で被災された仲間もたくさんいます。僕たちと同じ目標を持って一生懸命練習してきたと思います。
出場されるみなさんは監督・コーチからいただいた指導、そして見守ってくださっている家族に感謝し頑張ってください。
仲間を信じて励まし合いながら最後まで諦めることなく戦い、最高の大会になることを願っています」
開催地を代表し登壇したレッドサンズ・竹澤律志主将
そして選手宣誓は東郷ヤンチャーズ(福井県代表)の吉田颯志主将。竹澤選手と同様に被災地への想いも込めながら宣誓を行った。
「我々選手一同は、この大会に出場できることに感謝します。1月1日に隣の石川県能登半島で大きな地震がありました。
今でも断水がつづくなど大変な思いをされている方々がたくさんいます。それでも、希望を持って頑張っています。この震災を忘れずに、必ず笑顔で過ごせる日が来ることを祈っています。
また、グラウンドに立てる喜びとみなさんへの感謝の想いを持ち、オリンピック選手のように最後まで諦めずにプレーし、熱い戦いにすることを誓います」
選手宣誓を務めた東郷ヤンチャーズ・吉田颯志主将
始球式にはお笑い芸人で独立リーグ・栃木ゴールデンブレーブスでプレーする現役選手でもあるティモンディの高岸宏行さんが登場。
自身も中学生までは軟式野球でプレーし、この大会を目指していた。スタンドから驚きと声援を浴びながら、マウンドに向かいマイクを持った。
「僕は全国に行けなかったんです。みんなはすごい!出場できることを誇りに思い、人生の宝物にしてね!今いる仲間や支えてくれる人たちがいる感謝を忘れず、楽しくプレーしてください」
ティモンディの高岸宏行さんが応援に駆けつけた
自ら”応援人”と称し、代名詞とも言えるフレーズの「やればできる!」をここでも力強く披露した高岸さん。選手たちにその意味を語った。
「やれば”成長する”という意味が込められています。チャレンジをすれば成功も失敗もある。でも、前向きにチャレンジをすれば必ず成長できる。自分自身にとってこれからの経験になる。失敗しても前を向いて次のプレーに向かってください」
始球式でも現役選手ならではの真っ直ぐを投げ込み、拍手に包まれながら開会式を終えた。
始球式では綺麗なストレートを投げた
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