野球は、練習、試合とも暑い時期にピークを迎えることが多い。暑熱環境下でベストパフォーマンスを発揮するためには、熱中症予防が大切となります。一般のニュースでも熱中症への注意喚起が行われる昨今、野球の競技特性と熱中症の関係、そして予防のための対策はどうすればいいか、BFJ(全日本野球協会)医科学部会委員である立命館大学スポーツ健康科学部の海老久美子教授に話を聞きました。
<構成:吉村 淳>
野球に関わる人は熱中症と背中合わせ
まず、選手はもちろん、指導者、審判員、保護者など野球に関わるすべての人たちに知っておいてほしいのは、競技の中で、最も熱中症の発生件数が多いのは野球であるということ(図1)。
もちろん、競技人口が多いので発生件数も多くなるということもありますが、野球には熱中症の要因となる以下のような条件が揃っていることも件数が多くなる理由になります。
- 暑熱環境で練習や試合が行われることが多い
- 練習時間が長い
- ユニフォーム、手袋、グローブなど着用品が多く、厚手になりやすい
また、学年別では中1や中2、高1の選手に多くなっています。これは入部して日が浅く、無駄な動きが多かったり、逆にまだできることが少なく、ただ立っている時間が長くなるということが考えられます。
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