10月7日から12日まで行われる「第2回 WBSC Baseball5 ワールドカップ 2024」。
その侍ジャパンBaseball5代表に選ばれている一人が唐木恵惟子選手(ジャンク5)。
3年前にソフトボールとの両立から始まり、今年4月からは侍ジャパンの一員となった。ここまでの軌跡には感謝や絆、勝利に対する気持ちなど多くの感情が詰まったものだった。
原点は「野球やソフトボールへの恩返し」
唐木が競技と出会ったのは21年。桜美林大学のソフトボール部として活動していたころだった。
「友人が若松(健太:侍ジャパンBaseball5代表監督)さんと知り合いでした。若松さんがジャンク野球団を運営しているのを知った後、『Baseball5という競技があるけど挑戦してみないか』と声をかけていただきました」
その時初めてBaseball5のことを聞いたという唐木。初めてやって見た時はとにかく驚いたという。
「自分の手を使って打つので簡単かと思ったら道具を使うよりも断然難しかった。同じベースボール型なのに、右も左も分からなかったので初めは長く続けるイメージが湧かなかったんです」
それでもトライしてみようとなったのはまず未来を見据えたことからだった。
「競技人口がこれから増えていくんだろうなと考えると、今後が楽しみだなと思えました。
Baseball5をやっていると言っても、『何それ?』と今でも言われてしまうのですが、そのパイオニアになれるんだと考えたら面白いことだと感じました」
パイオニアとして日本を代表する存在になった
さらに後押ししてくれたのは、自身を導いてくれた指揮官の言葉だった。
「競技を始めるきっかけになったのが若松さんの言葉で、『これまで俺たちは野球やソフトボールにいい思いをさせてもらったと思う。
その恩返しの一つとして、野球型スポーツの国際的な普及活動にもなるんだ』という言葉をいただきました。
私もソフトボールに10年以上携わってたくさんいい思いをさせてもらって、大切な人たちと出会ってきました。なので、恩返しに少しでもなればいう想いで今も続けています」
唐木をBaseball5へと導いた若松監督
ジャンク5に入団し、自然と高まったモチベーション
Baseball5への挑戦を決めた唐木は、ジャンク5へ正式に入団する。ジャンク5は今年2月に初めて行われた日本選手権を制覇した屈指のチーム。
さらに唐木の他にも今回ワールドカップで代表主将を務める島拓也や三上駿・大嶋美帆、そして若松監督と日本代表に5人を輩出している。
チームに入った時そして今について問うと、その強さを支える一端を交えて答えてくれた。
「チームの絆が強く常に一体感があります。それは私が入った時と今も全く変わらないです。リーグ戦などに臨む時も、代表入りしている・いない選手問わず自然と一つにまとまるので、ジャンク5として試合することに意味があると思える。そんなチームだと感じています」
自身(#17)も、チームで試合をする意義を感じているという
開拓と恩返しを掲げてスタートしたBaseball5。前向きに取り組む気持ちは、ジャンク5の環境が自然と醸成させていった。
「ジャンク5は桜美林大学のBaseball5部と一緒に練習や紅白戦をやっています。なので強くなるための環境が整っているんです。
大会がない期間が続いた時でも、『定期的に練習やろうよ』という声が自然に挙がったりして、参加すると『この競技やっぱり面白い!』と感じさせてもらえる機会がある。それがモチベーション高く続けられている要因だと思います」
第1回ワールドカップの代表を逃すも原点に立ち返る
ソフトボールのようにBaseball5も真剣に取り組んできた中、チームそして唐木には新たな目標が芽生えていった。
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