2021年度 野球規則改正についての解説<5>

 プロ・アマ合同の日本野球規則委員会は、2021年1月27日に協議を行い野球規則について2021年度における改正を発表しました。ここでは、今年度に改正された12項目から(8)~(11)についてご説明します。

(8)から(11)は、7.04の改正に伴い、各条文中の「提訴」あるいは「提訴試合」の文言を含む記述部分を削除、もしくは表現の変更を行ったものです。

(8)3.02(c)【原注】の改正

 ※3.02はバットに関するルールです。(c)には、バットの握りの部分(端から18㌅(45.7㌢))には、何らかの分質を付着したり、ザラザラにして握りやすくすることは許されるが、18㌅の制限を超えてまで細工したバットを試合に使用することは禁じられる。と表記されています。

 今回の改正では、【原注】の部分に記載があった「また、そのプレイについて提訴は認められない。」の部分が削除されました。

改定後の【原注】は以下の表記となります。

パインタールが18㌅の制限を超えて付着していた場合には、審判員は、自らの判断や相手チームからの異議があれば、バットの交換を命じる。制限を超えた部分のパインタールが取り除かれた場合だけ、打者は以後その試合でそのバットを使用することができる。

 バットの使用以前に指摘がなければ、本項に適合していないバットによるプレイはすべて有効である。

(9)「審判員に対する一般指示」の改正

 「審判員に対する一般指示」第5段落が以下のように改められました。(下線部を改正された箇所となります)

  試合中に悪い事態が起こった場合、その事態の解決を回避したという非難を受けるようなことがあってはならない。

常に規則書を携行し、紛糾した問題を解決するにあたっては、たとえ10分間試合を停止することがあっても、よく規則書を調べ、その解決に万全を期して、その試合で不注意な規則適用の誤りをしないように努めなければならない。

(10)9.01(b)(3)の改正

 ※9.01は公式記録員に関する項目で、(b)(3)ではサスペンデッドゲームに関する説明が記載されています。今回の改正では、9.01(b)(3)に記載がった、「提訴試合または」および「提訴または」の削除、また、同【原注】の

 「提訴試合において」以下の分を削除する。提訴試合において」以下の分が削除となりました。改定後の文言は以下となります。

 サスペンデッドゲームになった場合には、記録員は、一時停止になったときの状態を、得点、アウトの数、各走者の位置、打者のボールカウント、両チームの打順表、交代して退いたプレーヤーにいたるまで、詳細かつ正確に方コックしなければならない。

【原注】 サスペンデッドゲームで重要なことは、停止されたときと全く同じ状態から再開させなければならないことである。

(11)定義46の改正

 定義46に記載されていた「または提訴試合の裁定を行うものとする。」が削除されました。現行での表記は以下となります。 

LEAGUE PRESIDENT「リーグプレジデント」(リーグ会長)──リーグ会長は本規則の思考の責任者であり、本規則に違反したプレーヤー、コーチ、監督または審判員に制裁金または出場停止を科したり、規則に関連する論争を解決する。

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