2021年度 野球規則改正についての解説<4>

プロ・アマ合同の日本野球規則委員会は、2021年1月27日に協議を行い野球規則について2021年度における改正を発表しました。ここでは、今年度に改正された12項目から(6)~(7)についてご説明します。

(6)6.04(d)【原注】の改正

 ※6.04は競技中のプレーヤーの禁止事項のルールです。(d)には、監督、プレーヤー、コーチまたはトレーナーは、試合から除かれた場合、ただちに競技場を去り、以後その試合にたずさわってはならない。

試合から除かれた者はクラブハウス内にとどまっているか、ユニフォームを脱いで野球場構内から去るか、あるいはスタンドに座る場合には、自チームのベンチまたはブルペンから離れたところに席をとらなければならない。と説明があります。

 今回の改正においては【原注】の説明が下線部のように改められました。

【原注】 出場停止処分中の監督、コーチ、プレーヤーは、ユニフォームを着てクラブの試合前の練習に参加することはかまわないが、試合中は、ユニフォームを着ることはできず、プレーヤーが試合にたずさわる場所から離れていなければならない。

また、出場停止中の者は試合中、新聞記者席や放送室の中に入ることはできないが、スタンドから試合を見ることは許される。

出場停止処分中の対象者の行動制限について、細かく規定が追加されました。ただし、我が国のアマチュア野球においてはこの規則の内容については適用されず、各団体からの処分等の措置に従うことになります。

(7)7.04の改正

 ※7.04は提訴のルールです。今回の改正で従来記載されていた【原注】および【注】の項目が削除されました。以下の記載のみとなりました。

  審判員の判断に基づく裁定についての異議であろうが、審判員の裁定が本規則に違反して決定したことに対する異議かにかかわらず、どのような提訴も許されない。

 これまでは認められていた、“提訴”は一切認められないことになりました。これにより“提訴試合”は規則上、なくなることになります。

我が国のアマチュア野球では、もともと提訴試合は認めていませんでしたから、この改正による影響はありません。しかし、WBSCやBFAの主催する国際大会では、これまでは提訴試合が認められていました。

これについても、先発投手、救援投手の投球義務の規則と同様にWBSCやBFAの対応が現時点では明らかになっていません。また、我が国のプロ野球では、アグリーメントにおいて提訴試合の規定は残る見込みです。

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