「Q&A 事例解説」では一般財団法人全日本野球協会に寄せられる多くの規則についてのご質問の中から、特によく頂く質問をピックアップ。ご質問に対する回答内容を皆さんと共有することで皆さんの理解を深めていただくことを目的としています。 ぜひ、ルールの深掘りにご活用ください。
▼質問内容
無死走者なしでストライクスリーの投球がショートバウンドして、捕手は捕球出来ず後逸となり、球審のレガースに当たり本塁の方向に跳ね返りました。
その跳ね返ったボールを捕球しようとした捕手と球審が接触し、結果的に振り逃げが成立してそのまま試合継続となりました。
今回、下記2点について教えていただけますでしょうか。
①球審にボールが当たった時点でボールデッドで打者アウトの措置を取って良いのか
②球審のレガースに当たったボールが本塁付近ではなく、ダッグアウト付近に転がっても上記と同様の措置で良いのか
▼回答内容
6.01(a)(1) 2022年度の改正部分に次の記述があります。
もし、捕球されずに本塁周辺にとどまっている投球が、打者または審判員によって不注意にそらされた場合、ボールデッドとなって、塁上の走者は投手の投球当時占有していた塁に戻る。この投球が第3ストライクのときは、打者はアウトになる。
ご質問のケースでは、ショートバウンドした3ストライク目を捕手が捕球できず、球審のレガースにあたって本塁周辺に跳ね返ったとのことです。
これは、ゲットセットして構えていただけの球審に、投球が当たったわけですから、不注意とは言えず、インプレイとなります。本塁付近ではなく、ダッグアウトの方に大きくそらされたとしても同様です。
また、球審に当たり本塁付近に跳ね返ったボールを処理しようとした捕手と球審が接触し、結果的に振り逃げが成立したとのことですが、この場合も球審に不注意というべき動きがなく、接触はやむを得ないと考えられるときはインプレイで差支えないと考えます。
もちろん、接触がないように意を用いなければならないのは当然のことです。

