Baseball5日本代表・六角彩子が考えるBaseball5の普及とチームの強化の両立

 2022年11月、メキシコで行われたWBSC Baseball5ワールドカップ 2022で準優勝した日本代表チーム。Baseball5の日本代表はチーム単位で選ばれるため、代表チームである「5STARs」は、大会終了後もチームでの活動は続いている。メキシコからの帰国後は、日本各地で普及イベントの誘いを受けるなど引っ張りだこの状態で、2月中旬のこの日も、チームの代表でもあり、WBSC Baseball5公認インストラクターの六角彩子さんが、東京都・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた「ニュースポーツ・プラザin むさプラ」にBaseball5のレクチャースタッフとして参加した。

 このイベントは武蔵野の森総合スポーツプラザの主催で、全世代を対象としたニュースポーツ体験会と銘ち、Baseball5の他にもスポーツ鬼ごっこ(※1)、モルック(※2)、ウォーキングフットボール(※3)といったニュースポーツが体験できるものとして、入場無料・当日参加OKで実施された。これまでもBaseball5の普及活動としてイベントを行ってきたが、今回のように他競技と同じ空間・同じ時間帯の体験会を行うのは初めてだった。 

※1 スポーツ鬼ごっこ・・・従来の鬼ごっこに戦術や戦略的な要素を持ってお宝をゲットするスポーツ

※2 モルック・・・木製のピンを倒し、得点を競うフィンランド発祥のスポーツ

※3 ウォーキングフットボール・・・走らず接触プレーもないので誰でも参加しやすいサッカー

 六角さんが来場者の反応を見ながら今までのイベントとの違いをこう語ってくれた。

「これまでは主目的としてBaseball5のイベントに来ていただいている方のほとんどが野球チームや学年のクラスといった、すでに出来上がっているコミュニティから参加することが多かったのですが、今回はそうではありませんでした。家族や友人単位といった少数コミュニティで参加していて、お会いするのが初めての方とチームを組みプレーすることになりましたが、競技を通して一緒になって楽しんでくれた。また、Baseball5の事を元々知らなかった方々が参加してくださって「初めてやったけど楽しい!」といって意欲的にプレーしてくれたのはうれしかったです」

(老若男女全員で同じボールを追いかけるのもBaseball5の魅力のひとつ)

 六角さんが来場者の反応を見ながら今までのイベントとの違いをこう語ってくれた。

「これまでは主目的としてBaseball5のイベントに来ていただいている方のほとんどが野球チームや学年のクラスといった、すでに出来上がっているコミュニティから参加することが多かったのですが、今回はそうではありませんでした。家族や友人単位といった少数コミュニティで参加していて、お会いするのが初めての方とチームを組みプレーすることになりましたが、競技を通して一緒になって楽しんでくれた。また、Baseball5の事を元々知らなかった方々が参加してくださって「初めてやったけど楽しい!」といって意欲的にプレーしてくれたのはうれしかったです」

(空き時間でモルックにも挑戦した六角さんら5STARsのメンバー)

 初めての他競技とのコラボとなった普及イベントやこれまでのさまざまなイベントを行ってきた六角さんが感じるBaseball5普及の課題を聞いてみた。

「イベントをやってみて、体験してくれれば一定の割合で楽しんでくれるという方がいることは分かりました。でも、ここから先はBaseball5を正しく伝えて広げていくことを意識したいです。体験して、楽しいと思った後にまたやれる環境が大事だと思います。ユースオリンピックも控えているので子供にも大人にも伝えていく必要があると思います。チーム数も増やしていきたいですし、公認非公認にこだわらず、大会を増やしていきたい」

 2026年ダカールユースオリンピックの正式種目に内定していることもあり、若い世代に競技が広がっていくことが日本での競技普及につながると考えている。大人だけでも子どもだけでもなくみんなに広がっていってほしい。そんな思いで普及活動を続ける六角さんだが、あくまで「5STARs」が中心であることを前提で広がりを見せたいと考えている。

「競技人口が増える中で、5STARsはそのトップレベルで居続けたいと考えています。自分たちが輝くためにも普及は必要で、広がったから役目は終わりではない。レベルが高くなってもトップを譲る気はありません。そんな思いもあってワールドカップ後に、チーム体制を変更しました。チーム内でいくつかの部門を作りメンバーそれぞれがやるべき事を明確化しています。前述のようなイベントの対応を中心とした普及チーム、広報的な部分を担うメディアチーム、そしてチーム強化のため、内部分析を行うインハウス分析チームと3部門を作っています。競技人口も増えてほしいし、自分たちもどんどん強くなれると思っています」

 まだまだ普及中の競技ということもあり、ワールドカップ本大会では、それぞれのチームが大会期間中に新たな戦術や技術を生み出していく場面も多くみられた。普及に伴い、選手やチームのプレーの質は間違いなく上がり、今よりももっとレベルの高い競技になるだろう。そんな懸念もある中で5STARsはスポーツマンシップを持った集団として、競技を広げ、仲間を作り、自分たちもより良いプレーをしようとしている。Baseball5の存在は広がりはじめたばかりだ。初代日本代表チームの周りには熱量がある。この小さな火種を大きな炎にするために、5STARsと六角さんの挑戦は続いていく。

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