「Q&A 事例解説」では一般財団法人全日本野球協会に寄せられる多くの規則についてのご質問の中から、特によく頂く質問をピックアップ。ご質問に対する回答内容を皆さんと共有することで皆さんの理解を深めていただくことを目的としています。 ぜひ、ルールの深掘りにご活用ください。
▼質問内容
走者二塁でカウント3B0Sの投球が地面にワンバウンドでのボールとなり、打者はスイングせず四球となりました。
そのワンバウンドの投球を捕手が一塁線方向に弾いてしまい、そのボールを一塁に向かっていた打者走者が蹴ってしまいました。
(打者走者の本行為は故意ではありません)
球審は本行為に対してのジャッジは無く、結果的に二塁走者は三塁に進塁。
ランナーは一塁三塁となりました。
このような場合、当該球審の対処は正しかったのでしょうか。
▼回答内容
四球によって安全進塁権を得た打者走者が一塁に向かう際に、捕手がはじいた投球を蹴ってしまい
それによって二塁の走者が三塁に進んだというケースでの審判員の処置についてのお尋ねになるかと思います。
打者走者が捕手のはじいた投球を蹴ってしまったことで、明らかに捕手の守備する機会を失わせたと審判員が判断したときは、
「ボールデッドとして、塁上の走者の進塁は認めない。打者は安全進塁権を得ているのでアウトとはしない。」とするのが妥当と考えます。
関連規則としては、「6.01a 打者または走者の妨害」を参照ください。
捕手に捕球されていない第3ストライクの後、打者走者が投球を処理しようとしている捕手を明らかに妨害した場合は、
打者走者をアウトにして、ボールデッドとなり、他の走者は投球当時の占有塁に戻ることとしています。
また、これが第3ストライクではなく、打撃途中の打者であった場合には、ボールデッドにして、走者は投球当時の占有塁に戻しますが、打者はアウトにはしません。
四球の打者走者についても、打撃途中の打者に対する扱いと同様と考えてください。また、明らかに妨害したかどうかの判断は、あくまでも審判員の判断によるものです。
つまり転がってきた投球に当たったというだけで、すべてボールデッドとするわけではなく蹴飛ばしてしまった距離や方向によって審判員が判断するということです。

