連合チーム導入から10年「一緒に夏を迎えたい」という選手たちの想い
ーーー各校の顧問の存在
この夏は私がベンチに入って指揮を取りましたが、誰が顧問としてベンチに入るかは話し合いで基本的に決めています。今の大学1年生の代の春の大会前に、他校の顧問の先生方の異動時期とかも考えて、そこのタイミングで私が監督をやらせていただくことになりました。それ以降、都度大会ごとに今後どうしますか、監督は誰がやるかという話し合いはするのですが、比較的これまでやってきたことを鑑みて継続的にいいよということで、僕が見させてもらっています。連合チームを構成している学校はほとんど変わらないので、その中でやらせてもらっています。
ーーー指導者間での役割分担
特に分担をしているというわけではありません。平日は各校でお任せしていますし、土日集まった時にも基本は私またはもう一人本校の責任教師の指示を最優先していただいています。その中で各校の先生方も考えて動いてくださっているので、どちらかというと選手に近いかたちでアドバイスであったり。全体の指揮をとるのは私と責任教師、そして実動の中で細かいアドバイスであったり気づいたことを指摘してくれるのが各校の先生方というかたちです。
ーーー連合チームのキャプテン
私ともう一人の責任教師とで検討をして「この子で考えています」というのを各校の先生にお声がけして決めている感じです。ただ、大方各校の先生たちも活動を見てくださっている中でそこで意見が割れるということはないので、皆さん承諾していただいています。
ーーー単独or連合どちらで出場するかのジャッジ
夏の大会に向けては、GW前ぐらいに書類を整えて提出する必要があり、その前までには確定しなければなりません。ただ、早めに連合チームで出場すると決めて動いている学校もあるので、ギリギリで急遽連合でというのはやはりなかなか難しくなります。なので、4月の段階で新入生が入ってくるのかこないのかを予想して前もって動くようにはしています。秋・春は9校連合で出ていましたが、夏は6校と3校に分かれることになりました。その3校の方は、新入生が複数人入るという目星が立っていたようで。選手たちは「9校でなんとか夏を迎えたい」という意見もあったんですが、新入生の兼ね合いでどうしても人数が多くなってしまうということで9校連合を解体せざるを得なかったというかたちです。
ーーー連合チームへの愛着
どこの学校も新入生がどっと入ってくるわけでもなく、せいぜい学年1人か2人くらいです。ですから、選手たちの動きを見ているとやはり良くも悪くも連合慣れしているといいますか、.連合のかたちがいわば1つのチーム、単独チームに近い感覚になってると思います。継続的にそのまま次の大会を迎えたいという思いが出てくるのかなという印象です。
(写真:横浜明朋高校 高信監督提供)
ーーー夏の試合を通じて感じたこと
夏に向けてというところで、日々のスイング量、ちゃんと振り込めていますか?という確認を5月、6月くらいから始めました。部員たちが見える形でそれぞれが入力していって、1週間どれくらい振ったよね、という感じです。それより前の個々の動きを具体的に把握できていたわけではないので以前との比較はできませんが、その結果もあるのか夏の大会はしっかり振りにいった中でヒットが生まれましたし、得点3点にも繋がっているのかなという印象はありました。
試合の中では、点が入ると非常に喜ぶチームだったので、得点した回は盛り上がりました。反面、点を取られるとムードが下がるチームではあったので、1点取られたところからずーんと下がり始めて、そのまま夏の暑さ等もありなかなか戻ってこれず…。二番手以降のピッチャーに火消しをされて、せっかく勝っているのになかなか上がりきらずというところもありました。
ーーー試合中の雰囲気作りの難しさ
常に、私やほかの顧問の先生からも話に出るんですが、試合の流れ、雰囲気作りがやっぱり連合チームの難しさかなとは思いますね。一人一人の認識の甘さや、どこで盛り上がるべきなのか、試合経験の少なさがそこに出るのかなと。どうしてもやっぱり自分が疲れたとか、自分が楽しいとかっていうのが私の目にはそう映ってしまう…。なので、ベンチ内でも顧問含めて一緒に声掛けはするんですけれども、言わばやらされている感というか、その時には一生懸命声を出してはくれるんですが、持続的にはならないので、やっぱりまだ本質の理解というか、必要性というのをちょっとずつ落とし込まなければならないかなと思っているところです。
ーーー選手どうしのコミュニケーションの難しさ
やっぱり会えるのが土日のみ、しかも確実ではないという状況で、限られた時間しか無い中で、できることも制限されることもあるかなとは思います。その反面、せっかく集まれる土日を大切にしなきゃねということは常に言い聞かせており、動きを見ていく中で自然と自分たちで話し出したり、プレーの確認の量というのは増えてきたかなと思います。
ーーー連合チームの最後
夏の大会で負けた後、エースは泣きじゃくっていましたし、それ以外主力メンバーも悔しい表情を浮かべていました。やっぱり何かしらもっとできることがあったんじゃないかとか、あぁしておけばよかったなっていう思いがあったのかな思います。反面、エースがあそこまで打ち込まれたので、仕方ない、割り切らなきゃいけないというのは選手たちや私の中にもあったかなと思います。

