【イベントレポート】Baseball5 Asian Trophy 2023 for Sports SDGs in Nagoyaで感じたBaseball5の可能性

愛知県名古屋市にある、『オアシス21』。

ここは、野球場や体育館のようなスポーツに特化した施設ではなく、「水の宇宙船」をシンボルとした公園やバスターミナルなどの公共施設と商業施設との複合施設である。普段は地元の人たちが憩いの場として集う場所だが、この日は“決戦の場”となった。

6月4日に行われた「Baseball5 Asian Trophy 2023 for Sports SDGs in Nagoya」は、コンセプトのひとつとして掲げる“アーバンスポーツ”としての可能性を、これ以上ないほどに示したイベントとなった。

また、Baseball5 JAPANはこのイベントの3日前の6月1日(木)に国内初の全国大会を2024年2月4日に横浜武道館で開催すると発表。9月24日までチームエントリーを受け付け、エントリーチーム数によって地区予選を実施する。

前日に台風襲撃の悪条件も、当日の進行に影響なし

Baseball5の認知拡大を目指すとともに、SDGsの啓発活動、学びの場の提供、さらには女性のエンパワーメント推進に寄与することを掲げて行われた本イベントは、WBSC 世界ランキング2位のBaseball5チャイニーズ・タイペイ代表を招いて行われた。

前日まさかの台風直撃に見舞われ、選手たちの入り時間等が遅れるトラブルがあったものの、当日は打って変わっての空模様。前述のとおり、名古屋市にある複合施設の一角での開催ということもあり、雨天等の影響を大きく受けることなく、イベントの進行は滞りなく行われた。

うっすら雲は残るも、イベント当日は天候に恵まれた

午前中は、地元の名城大学、中京大学による交流試合を開催。12時から開会式に続き、日本代表とチャイニーズ・タイペイ代表のエキシビジョンマッチを第1試合として行ったのち、一般参加の体験会を実施。さらに16時から、エキシビジョンマッチの第2試合目を行った。

大学交流試合に参加した両校は、ともに結成まもないチームとのことだったが、それぞれおそろいのTシャツを着用してイベントに参加。「野球をやったことはないけど、Baseball5ならプレーできそう」など初心者でも気軽に楽しめるBaseball5の魅力を感じでもらえた感想を得られた。

また、一般参加の体験会には多くの子どもたちが参加してくれた。専用球場等が必要ではないBaseball5であれば、今後も家族連れが多い場所等で実施することができる。野球の普及競技としてのBaseball5の可能性を感じる取り組みとなった。

ともにおそろいのTシャツを用意して参加した名城大、中京大の選手たち

着用するウェアなどへの縛りが少ないのもBaseball5の特徴のひとつ

手ぶらできても参加できるのもBaseball5の強みのひとつ

多くの子どもたちが参加し、競技の魅力を感じてくれたに違いない

2試合行われたエキシビジョンマッチは、WBSCワールドカップと同じく1試合3セットマッチ制(2セット先取)のルールで開催。両試合とも3セット目に突入する白熱した展開となり、1試合目はチャイニーズ・タイペイが、2試合目は日本がそれぞれ勝利したが、本イベントの特別ルールにより、総得点の多かったチャイニーズ・タイペイの勝利で幕を閉じた。

日本代表チームを率いた六角監督は、「ライバルチームのチャイニーズ・タイペイ代表とこのような素晴らしい場所で試合ができたことはとても嬉しい。Baseball5の魅力は、男女が仲良く、そして、チームを超えてお互いにリスペクトしながら楽しく仲良くプレーができる競技だとあらためて感じさせられました。」とコメントを残した。

一進一退の攻防が繰り広げられたエキシビジョンマッチ。試合後には笑みもこぼれた

 前日は悪天候に見舞われながらも、国際試合に体験会、さらには大学交流試合という取り組みを一会場・1日でコンパクトに実施。どうしても大掛かりになりがちな競技普及イベントだが、その概念を覆す大会運営となった。今後も開催場所などを工夫しながら、全国で活動を行う予定だ。ぜひ、会場に足を運んでみてほしい。

■エキシビジョンマッチの試合結果

ゲームスコア

●日本1-1〇チャイニーズ・タイペイ(CT)

※同点のため特別ルールにより総得点で18-22CTが勝利

セットスコア

【第1試合】1-2CT勝利

1セット:●日本3-7〇CT

2セット:〇日本4-3●CT ※延長8回

3セット:●日本1-3〇CT

【第2試合】2-1日本勝利

1セット:〇日本5-3●CT

2セット:●日本2-6〇CT

3セット:〇日本3-0●CT

MVP※両チームから選出

チャイニーズ・タイペイ代表 SHIH Chi-Ting-Hua選手

日本代表 數田彩乃選手

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